自宅でも手軽にできる防火、火災対策とグッズ!防火管理者になって調べたオススメをご紹介!

防災

先日、会社の防火管理者になりました
防火管理者を簡単に説明すると、会社が火事にならないように管理する人ですね

ということで、会社の防火対策をいろいろ調べていると、「自宅の防火対策にも使える!」という知識やグッズが結構ありました

そこで今回は、自宅でも手軽に準備できるグッズや防火対策をご紹介していきます

火災になったらとにかくすぐ逃げる

防火対策やグッズの紹介の前にこれだけは肝に銘じておきましょう

初期消火が無理ならとにかくすぐ逃げる

初期消火が可能かどうかの判断基準は「火が天井に達するまで」です

火はフラッシュオーバーが起こると一瞬で燃え広がる

天井に達した火はある瞬間を境にフラッシュオーバーという現象が起こり一瞬で燃え広がります

Living Room Flashover.wmv

1:50 くらいまでの火は徐々に大きくなっていますが、2:00 で天井に火が達すると、そこからわずか20~30秒で部屋全体が火の海です

フラッシュオーバーが起こると火は一瞬で燃え広がります

煙は想像以上に厄介

煙の厄介なところは視界不良毒性です

煙の中がどれほど視界が悪いのかこちらの映像を見てみましょう

火災時の脱出方法

まったく前が見えません

映像では刺激の無い煙を使用していますが、実際の火災では煙の毒性が強く、目を開けることも困難です

さらに濃度によっては一呼吸で意識を失うような毒性をもっています

建物火災の上位は「こんろ」「たばこ」「ストーブ」

まずは建物火災での出火原因トップ3を見てみましょう
こちらのデータは令和元年1~6月のものです

出火原因件数割合
1位 こんろ1,477件13.0%
2位 たばこ1,184件10.4%
3位 ストーブ 735件 6.5%

詳しくは「令和元年(1~6月)における火災の概要(概数)- 総務省消防庁」を参照

出火原因トップ3の対策としては、「注意しましょう」くらいしかありません

  • こんろを使用している時は目を離さない
  • 寝たばこはしない
  • ストーブの周りに洗濯物を干したり、燃えやすいものを置かない

などなど、簡単な心がけで防げる火災です

しかし、これらが出火原因トップ3という現実を見ると、簡単なことでも常に意識し続けることの難しさが分かります

意外と多い出火原因「放火」

先ほどの上位3つに続いて、4番目に多いのが「放火」です

さらに、出火原因には「放火」とは別に「放火の疑い」という項目もあります

出火原因件数割合
4位 放火654件5.7%
8位 放火の疑い389件3.9%

これら2つを合わせると 1,034件 となり、3位のストーブ 735件 より多くなります

これは建物火災だけの件数ですが、全ての火災の出火原因を対象とすると以下のようになります

出火原因件数割合
1位 たばこ2,186件9.9%
3位 放火1,515件6.9%
6位 放火の疑い1,111件5.0%

「放火」と「放火の疑い」合わせて 2,626件 となり1位の出火原因「たばこ」 2,186件 を超えてしまいます

放火への対策

  • 家の周りに燃えやすいものを置かない
  • 車やバイクのカバーを防炎のものにする
  • 屋外用の人感センサーライトを設置する
  • 屋外用の炎センサーを設置する

おすすめの放火対策グッズ

  • 海外製と比べて高額(2020年01月の価格 : ¥5,785 )
  • ソーラー式で電源いらず
  • 日本製

  • 海外製と比べて高額(2020年01月の価格 : ¥3,790 )
  • コンセント式なので電源が必要
  • 日本製

  • 安価(2020年01月の価格 : ¥2,799 )
  • ソーラー式で電源いらず
  • 海外製の為、日本製に比べて安心感が劣る

  • 結構高額(2020年01月の価格 : ¥38,347 )
  • 7cmの炎を10m先で検知
  • コンセント式なので電源が必要
  • 日本製

トラッキング対策

「冷蔵庫やパソコンのコンセントから発火した」ということを耳にするかと思います
この原因の一つが「トラッキング現象」です

目につきにくい場所で長期間コンセントにプラグを差しっぱなしは要注意です

トラッキング現象とは

トラッキング現象とは、コンセントに差し込んだプラグの隙間にほこりや湿気が貯まり、そこに電流が流れ発火する現象です

出典:「電源プラグのトラッキング対策の適用範囲拡大について – 経済産業省」を加工して作成

コンセントが焦げ付くだけで済む場合もありますが、最悪火災を引き起こす危険もあります

ただ、最近の電源プラグに関しては平成27年1月の法改正により、ほぼ全ての電化製品に使用される電源プラグはトラッキング対策が義務化されています

出典:「電源プラグのトラッキング対策の適用範囲拡大について – 経済産業省」を加工して作成

詳しくは「電源プラグのトラッキング対策の適用範囲拡大について – 経済産業省」を参照

それでもトラッキングによる火災は無くなっていません

平成30年中の東京消防庁管内ではトラッキングによる火災が34件発生(平成29年も同じく34件発生)しています

詳しくは「≪電気火災の実態≫ – 東京消防庁」を参照

トラッキング対策は「ほこりを溜めない」です

冷蔵庫のコンセント周り、最後に掃除したのはいつですか?

おすすめのトラッキング対策グッズ

〇コンセントとプラグの間にほこりが溜まるのを防ぐ


〇使用していないコンセントの差込口にほこりが溜まるのを防ぐ

火災時の煙、一酸化炭素(CO)中毒対策

火災で一番怖いのは煙です

火災での死因は火傷も多いですが、その過程を見ると、

煙や有毒ガスが原因で窒息 → 動けなくなる → 炎に巻き込まれる

という場合がほとんどだと思われます

煙が少ない場合はまだ良いですが、煙が濃く、刺激性が強い場合はそもそも目を開けていられません

そして、少しでも煙を吸ってしまうと刺激により咳き込んでしまい、そのまま大量の煙を吸って即昏倒です

「少しくらいの距離ならいけるだろう」と思うかもしれませんが煙が濃い場合は要注意です

煙への対策も考えなければなりません

タオルやハンカチを濡らすのはほぼ無意味!

火災の際「濡れたタオルやハンカチで口を覆い避難する」と教わった方が多いのではないでしょうか

しかし、消防庁消防研究センターの実験では以下のような結果が出ています

タオルを濡らすことによる効果(煙粒子、刺激性ガスの低減)はあまりなく、逆に繊維が収縮し除煙効果が下がることもあり、また息苦しくなりやすい。

このような知見をもとに、「火災時の避難に際しては、タオルを濡らすのに手間取り貴重な避難時間を無駄にせず、どんな物でもいいから口と鼻にあて、すぐ避難行動を開始する」ことが提言されている。

引用 – タオルやハンカチ等の除煙効果に係わる実験 – 消防庁消防研究センター

この事実は知りませんでしたね…

吸い込む空気の温度を下げる効果はあるようですが「タオルを濡らしている時間があるならすぐ避難」です!

おすすめの防煙対策グッズ

  • 低価格(2020年01月の価格 : ¥600~800前後)
  • 視界を確保しながら煙を吸い込まないで避難できる
  • 片手で袋を常に掴まなければいけない
  • 耐熱温度 150度
  • 携帯できる
  • フード内の空気は歩いて約5分、走って3分が目安

  • 価格が高い(2020年01月の価格 : ¥22,000 )
  • 総務省消防庁の評定基準に合格している
  • 約20分間の使用が可能
  • 使用は1度きり (開封後は再利用できない)
  • 使用期限は未開封の状態で5年間

こちらの防煙マスクは総務省消防庁の評定基準に合格した製品です

ちなみに総務省消防庁の評定基準に合格している防煙マスクは2020年01月現在で6製品のみです

この中で視界も確保できるフルフェイス型はスモークブロック[フルフェイスタイプ]だけです

一般財団法人日本消防設備安全センター 簡易防煙マスク等の性能評定合格製品一覧

さらに詳しい仕様は、株式会社レスキュープラスの「スモークブロック」紹介ページで確認できます

火災時の煙に関わる注意事項

  • 煙が少なく、まだ視界が確保できる場合は姿勢を低く保ち、口と鼻をタオルなどで覆い素早く避難する
  • 煙が充満してきても床ぎりぎりには酸素が残っている場合もある。這うように壁に沿って避難する
  • 階段は四つん這いの姿勢で足から先に這い降りる。階段のくぼみには酸素が残っている場合もある
  • 煙の一酸化炭素濃度が高いと一呼吸で意識を失う場合もある
  • 刺激の強い煙の中ではほとんど目を開けていることができない
  • 避難時は扉を閉める(煙の充満だけでなく延焼も遅らせる事ができる)

火災時の停電対策

夜に火災が発生して停電した場合、速やかに避難できるのか?と考えました

真っ暗な室内に煙が充満している状況を想像してみると到底無理そうです…

我が家では懐中電灯を寝室に常備していましたが、起きている時に停電した場合を考えると寝室の懐中電灯だけでは不安を感じます

おすすめの停電対策グッズ

〇蓄光テープ

出口の場所やぶつかりそうな箇所が分かる
階段の段差や手すりの位置が分かる
  • ただのテープなので一度貼ったらほぼメンテナンスはいらない
  • 値段が安い
  • 光を蓄えられない場所(ライトの光や自然光が届かない場所)ではそもそも使えない
  • 普段から発光するので気になる人は気になるかもしれない

〇人感センサーライト

  • 電池式なので停電しても人が近づけば点灯する
  • 明るい
  • 電池交換、又は充電が必要

階下の火事に気付いた時にはもう遅い!?

住居が2階以上の場合は、階下が火の海で逃げられない場合の避難経路も考えたいです

こちらの映像を見てみましょう(埋め込み規制されていたのでYouTubeでご覧ください)

- YouTube
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1階はすでに火の海、階段も煙が充満した状態

この段階になってようやく2階の火災報知器が作動しています

映像でも説明されていましたが、この時点の煙はすでに一呼吸で失神するほどの毒性があるようです

このような状況で階段から避難するのは不可能です

おすすめの連動型火災報知器

先ほどの映像では火災報知器が独立型を想定、1階の火災報知器が作動しても2階の火災報知器は煙が来るまで作動しません

どこかで火災報知器が作動したら他もすべて作動する「連動型」がおすすめです


  • 親機と子機のセット (煙を感知するタイプ)
  • 2020年01月の価格 : ¥11,980
  • ワイヤレス連動で最大15台連動できる
  • 電波が届く距離は 約100m
  • 火災検知時にライトが付くので停電や夜間でも安心
  • 機器交換時期(設置後10年)をランプで教えてくれる

  • 子機(煙を感知するタイプ)
  • 2020年01月の価格 : ¥6,281

  • 子機(熱を感知するタイプ。キッチンなどの煙や水蒸気が発生する場所用)
  • 2020年01月の価格 : ¥6,150
  • 煙式との連動可能

おすすめの避難はしご

気付いた時にはもう階段から避難できない!
という時の最後の手段「避難はしご」

階段以外から避難できる設備も用意しておきたいです

価格 耐荷重 重さ はしごの長さ
¥23,500表記なし8.1 kg3.63 m
  • 国家検定合格品
  • フック、はしごの形状、長さの種類が豊富で自宅の環境に合わせて選べる
  • 重い

価格耐荷重重さはしごの長さ
¥32,084表記なし5.7 kg4.5 m
  • 一般財団法人日本消防設備安全センター認定品
  • フック、はしごの形状、長さの種類が豊富で自宅の環境に合わせて選べる

価格耐荷重重さはしごの長さ
¥23,158100 kg6.0 kg3.9 m
  • 一般財団法人日本消防設備安全センター認定品
  • フック、はしごの形状、長さの種類が豊富で自宅の環境に合わせて選べる

価格耐荷重重さはしごの長さ
¥15,400454 kg3.2 kg3.96 m
  • 価格が安い
  • 軽い
  • 1回使い切りの設計で再利用はできない
  • 海外製の為、日本製に比べて安心感が劣る

価格耐荷重重さはしごの長さ
¥8,180450 kg5.5 kg3.96 m
  • 価格が安い
  • 海外製の為、日本製に比べて安心感が劣る

価格耐荷重重さはしごの長さ
¥8,750510 kg5.5 kg4.3 m
  • 価格が安い
  • 海外製の為、日本製に比べて安心感が劣る

まとめ

防火管理者になったことで色々考えさせられました

対策グッズを揃えるのも大事ですが、やはり自身が火災への意識を持つことが重要です

そして、その意識を家庭内でも共有しましょう

例えば2階に子供部屋、1階にあなたを含む両親の部屋があった場合

1階が火災になり子供を残して両親が先に亡くなったしまったら…

この状況で子供の命を守れるのは子供自身しかいません

  • あなたの子供は一人で火災から生き残る行動がとれますか?
  • また、生き残る為の設備は準備してありますか?
  • それを正しく使うことができますか?

日ごろから備えあれば憂いなしです

できるところから防災対策をしていきましょう

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