知識ゼロでもわかる!アービトラージの手法をわかりやすく図解 ~アビトラBOT番外編~

アービトラージ

アビトラBOTを運用するにあたり、アービトラージの手法を調べてみたところいろいろなやり方がありました。長かったので番外編としてまとめます

アービトラージとは?

金利差や価格差を利用して売買し利鞘を稼ぐ取引のこと。裁定取引(さいていとりひき)、鞘取り(さやどり)ともいう

仮想通貨の場合は安い取引所AでBTCを購入し、高い取引所Bで先程購入したBTCを売却するという感じです

いろいろなアービトラージの手法について

アビトラBOT第1回目で簡単なアービトラージについてご紹介しましたが、他にもアービトラージの手法はいくつかあり、おおまかに以下の4つに分かれます

1. 送金型アービトラージ
2. 同時注文型アービトラージ
3. 価格差収束型アービトラージ
4. 3通貨型アービトラージ(トライアングルアービトラージ)

それではそれぞれの簡単な説明と、メリット、デメリットを見ていきましょう

送金型アービトラージ

①2つの取引所間で価格差が発生するのを待つ
②安い取引所でBTCを購入
③高い取引所に送金する
④高い取引所でBTCを売却する
⑤次の価格差が開くのを待つ、あるいは安くなりやすい取引所にJPYを送金する

取引所間で1BTCの価格に1万円の差が生まれます


取引所Aで1BTC=100万円で購入し、取引所Bに送金、そのまま1BTC=101万円で売却


元々100万円で購入したものが101万円で売却でき、1万円の利益が生まれました


この101万円を取引所Bに置いたまま次は別の取引所で価格差が開くのを待ちます

または、安値を付けやすい取引所があるのならそちらに101万円を移動します
※この場合、銀行を介さなければいけないのでその分手数料が発生します

メリット
・他の手法に比べて資本金は少なくて済む
デメリット
・送金中に価格が変動してしまい購入した額より下がってしまう可能性がある
※送金時間が数十分かかるのはよくあることで、これだけ時間があれば価格が急激に変化するには十分な時間です
・送金手数料、入出金手数料がかかる
※取引所、銀行によって手数料が異なります

同時注文型アービトラージ

①2つの取引所に同数のBTCとJPYを用意しておく
②2つの取引所間で価格差が発生するのを待つ
③安い取引所AでBTCを購入
④③と同時に高い取引所Bで、③と等価のBTCを売却する
⑤BTCとJPYが均等になるよう各取引所に送金し、次の価格差が開くのを待つ

取引所AとBに同数のBTCと日本円(JPY)を用意し、価格差が開くの待ちます


安い取引所Aで1BTC=100万円で購入。同時に高い取引所Bで1BTC=101万円で売却


現在の資産は2BTCと201万円になります


元々の資産、2BTCと200万円から1万円の利益が生まれました
現在の資産、2BTCと201万円を各取引所へ均等に送金して次の価格差が開くのを待ちます

メリット
・価格変化の影響を受けずにすぐ決済できるのでほぼリスクが無い
デメリット
・送金型に比べて多くの資本金が必要
・待機中常にBTCを保有するのでBTC価格下落のリスクがある
・送金手数料、入出金手数料がかかる
※取引所、銀行によって手数料が異なります

価格差収束型アービトラージ

①2つの取引所に同数のBTCとJPYを用意しておく
②2つの取引所間で価格差が発生するのを待つ
③安い取引所AでBTCを購入、同時に高い取引所Bで同数のBTCを売却する
④2つの取引所間で価格差が収束するのを待つ
⑤③で売買したBTCとJPYの反対売買を行う
⑥次の価格差が開くのを待つ

取引所AとBに同数のBTCと日本円(JPY)を用意し、価格差が開くの待つ


安い取引所Aで1BTC=100万円で購入。同時に高い取引所Bで1BTC=101万円で売却
ここまでは「同時注文型」と変わりません


例として今回は価格差が収束し、取引所A,B共に1BTC=100万円のタイミングで決済
※価格差はいずれ必ず収束します。利益が見込める差に縮まったら決済しましょう


元々の資産、2BTCと200万円から1万円の利益が生まれました
資産に偏りが無ければ送金の必要は無いので、このまま次の価格差が開くのを待ちます


この価格差収束が分かりにくいと思うので、いくつか例を見ていきましょう
まず、売買した時から価格が大きく変動したが、価格差に変化は無い場合です

安い取引所Aで1BTC=100万円で購入。同時に高い取引所Bで1BTC=101万円で売却
その後価格が取引所Aは1BTC=90万円、取引所Bは1BTC=91万円に下落した時に決済したとします


このように価格がプラス、マイナス、どちらに変化しても元々の資産2BTCと200万円に変化は当然ありません


次は売買した時から価格が大きく変動したが、価格差は収束した場合を見てみましょう

安い取引所Aで1BTC=100万円で購入。同時に高い取引所Bで1BTC=101万円で売却
その後価格が取引所Aは1BTC=110万円、取引所Bは1BTC=110万円に上昇した時に決済したとします


先程と同様に価格変化による資産の増減はありません
しかし今回は、初めに売買した時の価格差1万円が0円に収束した分が利益としてプラスになっています


メリット
・価格変化の影響を受けないのでほぼリスクが無い
・取引所に所持しているBTCとJPYに偏りが発生するまで送金の必要が無い
デメリット
・送金型に比べて多くの資本金が必要
・待機中常にBTCを保有するのでBTC価格下落のリスクがある
・価格が収束するまで資金を拘束される

3通貨型アービトラージ (トライアングルアービトラージ)

①1つの取引所内で3つの通貨の価格差を見つける
②通貨Aで通貨Bを購入(10,000円 = 1ETH)
③通貨Bで通貨Cを購入(1ETH = 0.1BTC)
④通貨Cで通貨Aを購入(0.1BTC = 10,100円)
⑤次の価格差が開くのを待つ
それぞれの通貨の価格差が図のようになったとします
利益が見込める順番に売買を進めます

元々の資産10,000円から100円の利益が生まれました
次の価格差が生まれる通貨を探します

メリット
・1つの取引所内で売買が完結するので送金手数料がかからない
デメリット
・取引回数が多いのでその分取引手数料がかかる
・3通貨の価格差を調べるには何かしらのツールが必要
・手順が多く手作業で利益を出すのはほぼ不可能

~応用編~ 信用取引を利用する

こちらの手法は「同時注文型」及び「価格差収束型」で使用できます

やり方は取引所毎に同数のBTCとJPYを置くのではなく、信用取引用のJPYのみ置きます

※以降は信用取引を用いる型を「信用取引版」、信用取引を用いない型を「通常版」と記載します

信用取引とは?
取引所から資金や仮想通貨を借りて取引すること
大きな特徴として以下の2つがあげられます
1.売りからも始められる(これを空売りと言います)
2.レバレッジを掛けられる(価格差収束型のみ)
レバレッジとは?
取引所に証拠金として通貨を預けることで証拠金の数倍の金額で取引できること
※例 レバレッジ3倍なら証拠金10万円預けていると30万円分の取引が出来ます

同時注文型アービトラージ 信用取引版

「同時注文型」は取引の流れが少し変わります

①2つの取引所に同数のJPYを用意しておく
②2つの取引所間で価格差が発生するのを待つ
③安い取引所AでBTCを購入、同時に高い取引所Bで同数のBTCを空売りする
④取引所Aで購入したBTCを取引所Bに送金する
⑤取引所Bで空売りしていたBTCと先程送金したBTCを決済する
⑥決済したJPYを均等に各取引所に送金し、次の価格差が開くのを待つ

各取引所、通常版は等価のBTCとJPYを準備していましたが、
今回は信用取引用のJPYのみ準備します


安い取引所Aで1BTC=100万円で購入。同時に高い取引所Bで1BTC=101万円で空売り


取引所Aで購入した1BTCを取引所Bに送金します
送金された1BTCと空売りしていた1BTCを決済します


元々の資産、200万円から1万円の利益が生まれました
現在の資産、201万円を各取引所へ均等に送金して次の価格差が開くのを待ちます

メリット
・通常版と比べて少ない資金で始められる
・待機時はJPYしか保有しないのでBTCの価格下落リスクがない
・価格変化の影響を受けずに決済できるのでほぼリスクが無い
デメリット
・送金手数料、入出金手数料、信用取引手数料がかかる
※取引所、銀行によって手数料が異なります

価格差収束型アービトラージ 信用取引版

「価格差収束型」は取引の流れに大きな違いはありません
1つ気を付けることが増えるだけです

価格差が収束するまでにロスカットされないレバレッジ管理

これだけ気を付ければ大丈夫です

ロスカットとは?
レバレッジを掛けた取引において、含み損が大きくなりすぎた場合に自動的に行われる強制決済のこと
メリット
・通常版と比べて少ない資金で始められる
・価格変化の影響をあまり受けないのでリスクは低い
・待機時はJPYしか保有しないのでBTCの価格下落リスクがない
・レバレッジを掛けて取引できる
デメリット
・レバレッジを掛けた取引は、価格差が収束する前に大きな価格変化が起こるとロスカットされる場合がある
・価格が収束するまで資金を拘束される
・信用取引手数料がかかる
※取引所によって手数料が異なります

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